The ONIGUILI Digest- Apr. 2024
案の定、あっという間に過ぎた4月。日中は春を通り越し、すでに夏のような気候です。と言いつつも、朝晩はまだ肌寒かったり。慣れない日々の連続だった4月の振り返りです。
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今回の目次
1. 振り返りエッセイ
2. お知らせ
3. 読んだ本
4. 気になっているモノ・コト
5. 雑記
✅ Reviewing This Month
肌寒い4月の末日
撮影日に姪が産まれることから始まった4月。子どもの春休み、幼稚園の入園準備、入園式、数日の午前保育、週2回の弁当作りなど、不慣れなことが次々と始まり、ドタバタな日々が過ぎていった。
最初の週末には、「夏葉社日記」を求めて芦屋川にある風文庫さんへ向かった。以前から、老後は小さい書店を開きたいなと妄想程度に考えている私は、最近 それに近しい書店にもっぱら惹かれている。「夏葉社日記」は、余力が残っていた夜に1〜2話程度読み進めるといった、とてもスローな読書時間だった。静かに、和やかに綴られる文章に、一気に読み進めるのがもったいないとでも感じたのかもしれない。
桜がまだギリギリ咲いていた4月の上旬、無事に幼稚園の入園式を迎えた。最初の数日は午前保育だったため、新しいことにワクワクして楽しんでいた子どもは、通常保育が開始してしばらくすると視界が開けて慣れない環境を目の当たりにしたのか、「幼稚園きらい!」「行きたくない!」と駄々をこねる日々が続いた。たった1日だけ、泣き喚いて手に負えず、それでも連れて行かねばと半ば強引に引きずり出すようにして家を後にした日があった。ただ、その日を境に 何か楽しめることを見つけたのか、徐々に駄々をこねる日もなくなっていった。月末近くには打って変わって「幼稚園行きたーい!」と言うほどに。何はともあれ、その件に関してはひとまず安心。下旬には初めての親子遠足、そして、子どもが4歳になった。
さて、4月の末日は少し肌寒い小雨の降る日であった。下旬のとある日にプロジェクトメンバーでキックオフ会を開催した、その案件の撮影日でもあった。いつものように朝から子どもを送っていき、預かり保育の申請が受理されていることを確認して、ディレクターにお昼から参戦できる旨 Slackでメッセージを送る。現場までは約1時間かかるため、11時前には傘を持って家を出た。家のすぐ側を流れる小川はいつも透明度高く美しいのだが、この日は雨のせいか、どこからか流れてきた土砂のベージュ色と透明が半分ずつ、縦にきれいに分かれて流れていた。その川の流れも、私がゴミ収集車に何度も阻まれながら駅への道を歩いている間に、ベージュ一色に変わっていた。
水筒は鞄に入れてきたが、電車を1本逃したためコンビニでペットボトルのコーヒーを買い、それも鞄へしまった。本当は各駅停車に乗ってゆっくりと本でも読みながら向かいたかったが、座席に腰をおろし、念のためGoogleMapで確認すると、特急でも5分ほどしか余裕がなさそうだった。しばらく停車していた電車から慌てて降りて、ちょうどやってきた特急電車に飛び乗った。
現場へ近づくに連れ、曇り空のまま少しずつ空が明るくなっていた。撮影はすでに始まっていて、小声でクライアントとカメラマンに挨拶をする。ディレクターはインタビューの真っ最中であった。少々時間が押していたが、天気のこともあり為す術もなかった。ただ、心配していた雨は一向に降らず、唯一の外での撮影時には奇跡的に青空が顔を出し、陽が差したのだ。カメラマンが「自分は晴れ男だ」と言っていたが、何を隠そうこの私も、胸を張って言えるほどの晴れ女だ。撮影が無事に終わったことにも安心したが、やはりクライアントと直接会話をしながら進めるプロジェクトはひと味違う。そんなに昔でもないフリーランス時代を懐かしく思い出していた。
撮影の終盤で雨が降ってきたため、終了後は傘を差して駅へ向かった。そして、帰路とは反対側の電車に乗る。
実は前日の夜に読んでいた「夏葉社日記」の1話に、ここからひと駅先にある書店の名前が記載されてあったのだ。牛歩の歩みで読んでいた本がタイミングを待っていてくれたのか。歳を重ねるに連れ、こういうタイミングになぜか惹かれるようになった私は、撮影での疲れや雨の面倒臭さを気にもせず、迷わずその書店へ向かった。
雨の中、ひっそりとオープンしていたその書店はとても静かで、センスのいい音楽が耳に心地よく居心地の良さを倍増させていた。物静かなオーナーが出てきたが、こちらを気にすることなくカウンターで何やら作業を始めた。そのおかげで、ゆっくりと店内にある本たちを眺めることができた。やはり大型書店とは違って、心躍るような本が山ほどあった。そんなに広くはない店内を、1週目は眺めながら歩き、2週目で気になった本をピックアップしていった。「夏葉社日記」の著者である秋さんがとてもオススメしていた「くらやみに、馬といる」含む3冊を購入。また来ることを心の中で誓い、店を後にした。
帰宅して本をパラパラと見ていると、その中の1冊に書店のショップカードが挟まれていた。私が本をしまうスペースを作ろうと鞄の中を整理している間に、オーナーが挟んでくれていたものだ。なぜかその行為がとても心地よく思え、その主張しないカードを栞にしようと決めたのだった。
そしてその夜、私は気が済んだとばかりに、一気に「夏葉社日記」を読み終えた。
📰 News
お知らせ
👉「あの、忘れられない日々。」を掲載いただきました。
iDID Magazine 3月号に、エッセイサイト「あの、忘れられない日々。」を掲載していただきました。詳細に言語化していただきとても嬉しい。続きを書かねば書かねばと思いつつ、いまだに筆が止まっている。
👉 駿河台大学スペシャルサイト「駿大生に聞いたリアル駿河台大学AtoZ」公開
ZIZOでの初のお仕事、というわけではないのですが、こちらのDigestにZIZOのお仕事を記載するのは初めて(のはず)。これまでイラストを使用したサイトはあまり作ってこなかったので、新たなチャレンジになりました。イラストレーターのemmaさんが描いてくださったA〜Zのキャラクターがかわいい。
👉 STUDIOのWebフォントキャンペーンで推しフォントについてコメント
STUDIOさんがFONTPLUSとの連携を記念したキャンペーンで、推しフォントについて少しコメントさせていただいた。ZIZOからは3名も掲載いただきました。ありがとうございます。
📚 Books That I Read
読んだ本
👉 夏葉社日記(秋峰善 著)
前回、「気になるヒト・モノ・コト」で書いた「夏葉社日記」。先に書いた通り牛歩の歩みで読んでいたのだが、4月の末日にようやく読み切った。この先どうなるんだろう!?というドキドキ感とか、切なくて涙が止まらない……とか、そういう激しく感情を揺さぶられるということはないのだけれど、和やかな文章が最後まで続き、師匠への愛を感じるとても素敵な本だった。師匠である島田さんのことを自分は何も知らないけれど、秋さんの文章で島田さんがとてつもなく素晴らしい方であるということが伝わってきた。風文庫のオーナーさんが言っていた「島田さんは本当に素敵な方で……」という言葉を思い出す。
彼らが関西エリアに営業に行ったときの話では、知っているエリアの話なので想像するのが安易で楽しめたし、この本の中で紹介されている書店のリストや本のリストもまとめてあって有り難かった。
何より、単行本サイズのハードカバーがやはりとても素敵で、ずっと飾っていたい。
👀 My Recent Interests
気になっているモノ・コト
4月も気になったモノ・コトがいくつか。ほとんど読み書きに関することだった件。
👉 長い読書
月末に読み終わった「夏葉社日記」。そのメインとなるひとり出版社・夏葉社の島田さんが書かれた「長い読書」がとても気になっている。「夏葉社日記」を読んだらこちらも合わせて読まないと気が済まない。同じく夏葉社の島田さん著の「古くてあたらしい仕事」という本も文庫化されたとのことで、気になっている。どちらが先か。
👉 源氏物語(角田光代訳)
イラストレーターのyasuo-rangeさんが装丁を担当されているとのことで気になっていた源氏物語の文庫版。自分は読んだことがなかったため、これを機にチャレンジしてみようかと。2024年10月に全8巻完結予定とのことで、最後まで読み切れるかという不安もありつつ、いまは楽しみで仕方ない。
👉 NewsPics for Kids



「The New York Times for Kids」の翻訳が日本で読めるのはここだけ、ということでずっと気になっていた「News Picks for Kids」。イラストやデザインも素敵だったため、いよいよ購読開始。我が子にはまだまだ早いが、自分のアメリカ文化への理解が少し深まりそうな予感。子ども向けなのにこんな話題!?というのもあり、興味津々。
👉 note 創作大賞2024
気になっている。非常に気になっている。STUDIOデザインアワードと同様、こういうのをきっかけにしないと動かないタイプの私。才能はなくとも、「好き」というだけでチャレンジしてみてもいいのかもしれない。締切は7月23日とのこと。
✍️ Memo
雑記
子どもが4歳になった。1度泣き喚いた日からしばらく経ち、いまは幼稚園が楽しくてしょうがない模様。というか、先生が大好きな模様。親子遠足でも、友だちと遊ばず先生を追いかけ続けていたし。
親のわたしはというと、習い事をどうしようかと悩み続けている。当初は普通に(?)公文、ピアノ、水泳くらいからふたつ、と考えていたのだけれど、ここ数日で、エレクトーンとダンスかなぁ、と、子どもを見ながら思い始めた。とはいえ、子どもがやりたいことが一番だろうから、早めにいろいろと体験に連れて行ってあげようと思っている。
英語はようやく学習を再開。Duolingoはいいけれど、どうしても「継続すること」だけにフォーカスしてしまう。ELSAをまた再開して、なるべく声に出すようにし、その他いろいろと計画中。あーだこーだ言っても結局は継続がすべて。今年中に何とか「習慣」までこぎ着けたい。
このDigestもまだまだ書き方が定まらず、右往左往。先日ふと「です・ます」調になり、相手がいる前提で書いているのでは?と気が付いてしまった。あれだけ自分のためと言いながら。「いやいや、違う違う」と思い直して、「言語化」と「文章を書く」ということにもう一度フォーカスを戻したいと思っている。雑記くらい「です・ます」でいいかな、と思いつつ、まぁそのうち定まってくることでしょう。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。近頃タイピングの腕がなまってきているのが悩みです。